2.いい子だね リズ先生に頭をなでられた。 頑張っている神子を褒めない道理はないってそんなような事を言われた。 まさか、高校生にもなって頭をなでられる経験をするとは思わなかったけど、 先生の手は暖かくて、とても心地よかった。 「いい子いい子されてるみたいで、ちょっと恥ずかしいですけど」 「いいこ?」 そう言いながらも先生はずっと、なでてくれている。 「えっと、子どもをあやす時や、褒める時に使うんです。 いい子だね、とか、いい子だから泣き止みなさい…とか。 それで頭をなでるのを、いい子いい子って言ったりするんです」 「…なら、問題はないな。神子はいい子だ」 少し泣きそうになった。 ここは、子ども扱いしないでくださいって怒るところだと思うのに。 「…先生」 「どうした」 「…先生にいい子だって言われるの、すごく嬉しいです」 「そうか」 「でも子ども扱いは嫌です」 「…わかった」 いつまで、なでてくれるのだろう。 先生といる時間が長ければ長いほど、願いを抑えきれなくなるのに。